藤代だより
2004年6月号
信州の高原野菜
■信州の高原野菜6月上旬、諏訪湖の近くの原村、富士見村のJA信州諏訪に行ってきました。
この地は、高原セロリ、パセリ、フローレンスフェンネルのトップブランドとして、すばらしい作物つくりをしています。
標高1000m前後の高原で、さわやかな風が吹き、心休まる一日でした。
その産地で、五味さん、というハーブのセルフィユを作っている方にお会いしました。
五味さんは、パセリの種を自分で作り、この地の全会員に配布しています。セルフィユを約25年前から作っていたとのことですので、日本のハーブの先覚者だった千葉大多喜の高津さんの少し後になります。セルフィユは、今でこそよく知られたハーブのひとつになりましたが、25年前、まだまだ珍しかったセルフィルを作っていたことに敬意を表します。
高原にもかかわらず、この地も温暖化の影響で、米が以前よりおいしくなった、とのこと。
日本の農業の将来を思うと、喜んでよいものか複雑です。
その日の夜、とある茅野の「しん駒」という居酒屋に立ち寄りました。その折、すばらしい蕨のおひたしをいただきました。うれしいサービスです。
ご主人に伺いましたところ、約10年前に東京から移住し居酒屋を開いているとのこと。
自分で山地に入り、山菜、秋はキノコを取り、それをお客さんに振舞うのが楽しみだ、と話してくれました。
その記録のノートをみせてもらうと、「6月5日、天気、気温、三井の森の先で蕨を3k収穫。キジ、キツネが迎えてくれた・・・・」と記してありました。
帰りにとったという蓮華つつじが店に活けられていました。
お願いして、今年の秋、キノコ狩りに連れて行ってもらう約束をしてきましたが、叶いますかどうか・・・(写真・上)
■長野の西洋野菜(ピンクロースター、グリーンロースタ)
6月初旬、JA洗馬(せば)へ青果荷受の方と視察に行ってきました。
5-6月を一期作、9-10月を二期作として、レタス、サニー、グリンリーフ、ピンクロースター、グリンロースターを主とし、その他、セロリラブ、ビーツ、ルタバカ、チリメンキャベツ、などの西洋野菜も作っています。
昭和20年初め、まだ一般の日本人には野菜を生のまま食する習慣がありませんでしたが、アメリカ兵が日本に駐留することになり、生食の野菜が求められました。
当時の日本の資料では、「野菜は生のまま食べることができない」とされていました。そこでアメリカ軍の指導の元、この地で西洋野菜の栽培が始まりました。ここから長野の高原野菜が定着していきました。
産地の若い生産者、青柳さんにめぐり会いました。いろいろな野菜作りに挑戦しています。機会を作って横浜に来ていただき、青柳さんの野菜で料理を作り、意見交換しながら、お互いよりよい作物をつくっていきたいです。(写真・下)