藤代だより

2013年8月号

心のこもった味

八月中の暑さ、各地の雨、干ばつなどにより、促成野菜や葉物野菜の品質低下、欠品などでお騒がせしております。仕入部酒井です。
昼間の暑さプラス夜温の高さで弱いものはダメージを受けてしまうとのことでした。また豪雨に襲われ水に浸かった畑の写真などをみせていただくと、田んぼのようになってしまっています。改めて自然の力の前には人間の小ささを解らせられます。

7月に、ある納め先様から「藤代さんが持ってくるスイカよりこちらのほうがおいしいよ。」と教えていただいたスイカがありました。藤代商店でも各産地のスイカを九州から東北まで追いかけておいしい物を仕入れているつもりでしたので残念でしたが、さっそく教えていただいた農園の方に連絡してみました。
長野県松本市の大槻さんという方です。電話すると快くスイカを送っていただきました。
信州JA松本ハイランド管内のスイカは毎年7月後半から8月には藤代でも扱っています。標高600~800mの高原に位置し、日照量が多く昼夜の寒暖差が大きく、上高地・乗鞍を水源とした梓川水系のミネラルたっぷりの水を使い、水はけのよい火山灰土壌の土で育てられているそうです。
大槻さんは市場に出荷することなく直売でのみ販売されているということで、松本の農協の直売所でも人気のスイカだそうです。
届いたスイカは、完熟具合がはっきりと解るほど黒いラインに合わせて凹凸がはっきりとしています。そして包丁を入れると、パキッと音がするほど実が張っていて、にごりのまったくない赤い色の実で、そして試食すると程良い歯ごたえ、皮のすぐそばまで甘味があり、そして甘いだけではないバランスのとれたとても良い味でした。
個人的には今シーズン食べたスイカのなかで一番おいしいものでした。大槻さんの気持ちが伝わってくる味で、来シーズンはぜひ直売所に行き、相対しながらスイカを選びたいです。
野菜や果実には、全国に有名な産地がたくさんありますが、やはり人です。まだまだ勉強不足ですが、これからも作り手さん達の魂のこもった野菜・果実を皆様にひとつでも多くご案内できるようにしていきたいです。

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