藤代だより

2013年1月号

先人からの知恵と恩恵

年が明け寒い日が続いたと思ったら、久しぶりの太平洋側の雪により、野菜の延着、配送の遅れ、欠品等がでてしまいお騒がせしまして申し訳ありませんでした。仕入部酒井です。本年もよろしくお願いいたします。
人間の都市生活など、自然の力の前では小さい物でしかない、ということを改めて思い知らされました。

ところで雪というと、少ない地域に住む経験不足の私達とはちがい、雪をおおいに利用する産地、人々がいらっしゃいます。
山形県米沢市周辺で作られている「雪菜」。これは、江戸時代中頃から作られているという菜っ葉なのですが、大雪のために冬場に野菜が不足することから、秋の終わりに収穫された「雪菜」を立てかけて土よせして雪が降るのをまちます。そして真冬にその「雪菜」を必要な分掘り出します。見た目はけして良い物ではありませんが甘味の奥にあるほろ苦さ、かたすぎず、やわらかすぎずのしゃきしゃきの
歯ごたえ、絶妙です。市場にも少量入荷いたします。
新潟県や北海道から入る、「雪の下人参」。これは秋獲りの人参の収穫が間に合わず、冬になり、雪が降り、雪の下に。3~5mも雪が降り積もる地域もあります。その雪が溶けた頃、掘り出して食べたら、非常に甘くておいしかったので、商品化してみたとのことです。3月中旬頃からの入荷予定です。甘味が強く、味が濃いのが特徴です。
なぜ雪の下にあったものがおいしいのか?というと、雪の下の土の温度は冬も春もほぼ0度。このちょうどいい温度が凍ることも、腐ることもなく、熟成させる秘密だそうです。
自然の力を借りたこの保存、熟成方法。それを見つけた先人達の苦労、知恵そして遊び心には、頭がさがります。
これからも謙虚に勉強を続け、良いものをより良くご案内していきたいとおもいます。よろしくお願いいたします。

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