藤代だより
2010年5月号
香川県アスパラガス 視察
2月23日に横浜の丸中青果株式会社 田村次長さんと御一緒に香川県のアスパラガス部会総会に出席させて頂きました。羽田空港より飛行機で高松空港へ向かい 高松空港でわざわざ出迎えて頂いたのはJA香川 東京営業所の岡原所長さん。
総会場所まで車での移動の間 岡原さんに香川県の色々な野菜について興味深いお話を聞かせて頂きました。
・香川県の代表野菜のレタスは設備投資等が必要で、手間の掛からないブロッコリーの生産量が逆転してしまった事、
・ニンニクは生産量で全国2位だが、国産品種の種だと関東から南は育たない為 中国品種種子を使用している事,etc
そんな話をしていると岡原さんの計らいで農業組合の人に無理を言ってアスパラの畑を見学させてもらう事に!
高松の市街地から程近い所にその畑はありました。ビニールハウスに入ると アスパラが土から顔を出し、長いものだと30cm以上あります。
香川県でのアスパラの生産の品種といえば「ウェルカム」が9割、あとの1割が「スーパーウェルカム」と「さぬきのめざめ」となるそうですが、今回見学させて頂いたのは「さぬきのめざめ」。
これは香川県オリジナル品種として、寒さに強く、春の萌芽が早く、穂先が開きにくい、という特徴を持つように品種改良をされたそうです。 (また横浜中央市場では「さぬきのめざめ」といえばロングアスパラのイメージですが、それは「さぬきのめざめ」の全体の1割で あとの9割は普通の大きさでの出荷とのこと)
畑を良く見てみると、アスパラの根元に四角く切って中央を丸く切りぬいた新聞紙があります。(画像参照)
組合の方に尋ねると、この目印の付いたアスパラは数多いアスパラの中から選び抜かれたもので、そのまま成長させ 栄養を送り込む為の『貯蔵根』にするのだそうです。この『貯蔵根』に栄養をいきわたらせる為 花を咲かせないよう品種改良され、13年-15年も収穫できるそうです。
「貯蔵根」付アスパラは、人参の葉より細い葉をジャングルのように茂らせ(誰が見ても驚く様です)、11月-12月頃枯れ、それを見計って燃やしたのち その灰を畑に被せるのだそうです。
アスパラの畑を見せてもらったのち総会が開かれる会場に向かいました。
香川県には「ホワイトアスパラガス」の「部会」という 県内外生産状況、生産仕方、年度比、これからの販売戦略等を懇談する会があります。生産者 総勢24名の殆どの方達が参加していました。
今回の部会では私にもお時間を頂き 現在のホワイトアスパラに対しての弊社での顧客や販売状況、要望等を部会の皆さんの前でお伝えさせて頂きました。(現在のホワイトアスパラ価格だとホテル関係(婚礼等)では使用するが、一般レストランでは単価的に高価で輸入品を勧めざるを得ない事など)
その後 懇親会を部会の皆さんに開いて頂き、直接 生産者の皆さんとお話する事ができました。
お話の中で特に驚いたのが ほとんどの方々がホワイトアスパラを作るのが初代だということでした。
またこれからの販売促進の為、他産地との生産方法等の違いを伺うと その辺は企業秘密ということで上手くかわされたりすることもありましたが(笑・・・)何より印象的なのは「今はトップだが、いつ他の産地に抜かれるか俺たちも怖いんだ」と仰られたことでした。
香川県という全国で一番小さな県で、なおかつ「温暖少雨」といった立地条件を活かし、「こだわり」、「土地作り」への専念、「様々な試行錯誤」、そういった手間暇かけた情熱こそが『全国一屈指のホワイトアスパラ』に行き着いた結果なのだと知りました。
この香川県のホワイトアスパラの「美味しさ」をこれからお客様や消費者の皆様にもっともっと伝えていけたら・・と感じた視察になりました。
今回の視察で 香川県の部会長、副部会長、農業組合の皆様、JA香川の岡原所長様、横浜丸中青果 田村次長様 沢山の方々に貴重なお話とお時間、多大なる御協力を頂きました。本当に有難う御座いました。
皆様への御礼と共にホワイトアスパラの視察報告を終わります。
(株)藤代商店 瓦井