藤代だより

2019年12月号

2019年の暮れに

夏前の曇天続きから、梅雨明け後の高温、台風被害や豪雨の影響など、次から次へ自然の猛威にさらされ、改めて人間の小ささや、だからこその工夫と改善の必要性を感じた一年でした。
11/27日、市場休の水曜日、千葉県君津市にあるサカタのタネ様の育種場見学会に参加させていただきました。こちらは野菜の特性を研究し、優良な種を開発することを主にしている場所です。

朝から冷たい雨が降り続いていましたが、現地に着くと各野菜の育種担当者様が各圃場を案内、そして品種の特性・展望などを熱く熱く語られました。
トマト・小松菜・ほうれん草・大根・かぶ・キャベツ・ブロッコリーなどの一般的な野菜でしたが、小松菜だけでも7種類。それを一週間ごとに種をまき、時期による成長の差異がわかるよう整然と育てている光景は圧巻です。
しかし同じ日に蒔かれた小松菜は品種が違くとも我々にはその区別が難しいのですが、育種担当者様(ブリーダー)は、「この品種の葉のつやは~」、「この茎の太さと長さが~」とわが子を紹介するように特長を次々と説明してくれます。そこには完全に「愛」がありました。
現在の育種のテーマはこのご時世ですので、耐暑性(近年の温暖化に対応できるよう)、耐病性(進化する病気に対応できるよう)、省力性(なるべく人手をかけず生育・出荷できるよう)を考慮しているということでした。
研究所や試験場、産地の農家(仕入れ先)様達を訪れてみると、仕事以上の探究心と情熱をお持ちなのがよく分かり、私達も良い刺激を沢山いただきました。
そしてお取引先には優れた技術と情熱をお持ちの料理人様がおられます。
我々青果卸業は本当に恵まれている立ち位置を実感するとともに、「生産者様たちの情熱」と「料理人様達の情熱」を分断せず繋げられるよう更なる努力をしなければなりませんし、その努力にゴールはありません。

本年も至らない点ばかりでしたが、本当にお世話になりました。
来年は少しでも成長し皆様のお力になれるよう努力いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。


商品部 酒井

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